作品が売れないのはブランドもプロセスも価値化できていないから
こんにちは
マンガ家nikoのパートナー、ぴこつです。
「自分の作った作品がなかなか売れない」
そうなんですよね。売れないんです。
ぼくの妻でマンガ家のnikoも、常にこの問題と向き合っています。
今は自分の作品がいろんなサイトやアプリで売ることができるようになりましたよね!
世の中にはありとあらゆる作品が出回るようになり、しかもとてもクオリティの高いものがたくさん売り出されています。
では作品のクオリティが高ければ当然、売れるのか言われると・・・
そんなことはありません。
今回は、そんな『作品のクオリティが高くても売れない理由』と『どうすれば作品が売れるようになるのか』についてお伝えします。
高クオリティの作品はいくらでもある
クリエイターとして活動している方、もしくは趣味で作品を作っている方は、自分の商品を売りに出してみたことはありますか?
まずは、作品を「売りに出す」ということをできている方はそれだけでもすごいと思います。
でも、せっかくがんばって作った作品でも、なかなか売れないということもあります。
冒頭にも言いましたが、今は本当にたくさんのクリエイターの作品が出回っていて、とてもクオリティが高いものがすぐに見つかったりします。
そう。クオリティが高いだけの作品は世の中にたくさんあるんですよね。
しかも、自分の作品を売る時にはその高クオリティの作品と並べられてしまうわけです。
その並んだ作品を見たお客さんはどうするでしょうか。
普通に考えて、同じ値段でその作品が売られていたら、自分の作品よりも高クオリティの作品を買ってしまいますよね?
でもこれは買おうとしているお客さん自信がクオリティだけを見て買おうとしている場合に限ります。
実際には、お客さんが作品を実際に買う時には他にも要因があるんです。
作品が売れない理由① – ブランドになっていない
作品が売れないというのは、クオリティが足りない。
というだけではないんです。
その作品が『ブランド』になっていないんです。
ブランドというのは、強い求心力を持っています。
作品であれば
- むちゃくちゃ絵が上手い無名の作家が描いた「モナリザ」よりもレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「モナリザ」の方が売れる。
- むちゃくちゃセンスの良いカバンを作れる無名のカバン職人のカバンよりも、ヴィトンのカバンの方が売れる。
- ぼくが描いたマンガよりもマンガ家nikoが描いた成人マンガの方が売れる。
(最後の例はそもそもクオリティに天と地の差があるんですけど)
それはつまり、お客さんみんなが作者とか作っている会社をよく知っているということが大事だということです。
みんながよく知っている=安心できる
「この人(この会社)の作った作品は素晴らしいものだ」
ということがお客さんたちの共通認識なので、自分が買って持っていることの安心感になるんですね。
なので、作品を作っている人(=自分自身)の価値を高めるということが大切です。
自分自身の価値を高めるには、SNSでフォロワーを集めたり、自分の作品を自分で丁寧に宣伝するということが考えられます。
ただ、これは高クオリティであるというのが大前提です。
たとえどんなに作者がSNSで人気者になっていたとしても、やっぱり作品のクオリティが低ければ、それが売れたとしてもそこそこ止まり。
まずは作品自体のクオリティを高めることを忘れてはいけません。
作品が売れない理由② – プロセスを売っていない
作品が売れないもう一つの理由として、プロセスを売っていないということが考えられます。
今の時代は、高クオリティの作品がいくらでも見つかります。
でも、高クオリティ出ないと絶対に売れないのかというと、そうとも限らないんです。
作品を売るために高クオリティのものにブランドを付けるという方法のほかに「プロセスを売る」という方法があります。
プロセスとはつまり『制作過程』のことです。
作品を作る際には当然、制作している時間があるわけですが、どうやら最近はその制作過程にも価値があるようになってきています。
お客さんの中には、制作過程にとても興味のある方がいます。
それも、けっこうな数の人が見たがっているようなんです。
その制作過程を見せる場所も増えてきています。
代表例として、以下のサイトを載せておきますね。
- pixiv SKETCH Live(ピクシブ スケッチ ライブ)
- 00:00 Studio(ゼロフォースタジオ)
これらのWebサービスではクリエイターが作品を作っている過程がライブ配信されていて、誰でも見れるようになっています。
また、気に入ったクリエイターにその場で投げ銭ができたりなど、クリエイターにとっても活動資金として大変ありがたいシステムが導入されているところもあります。
そういった「プロセス」を見せることによって、結果的にそのクリエイター自身のブランド価値が上がるという効果もあります。
熱意と努力で売れるプロセスエコノミーの時代
従来では、①でお伝えしたような作品や自分自身を「ブランド化」させることが売れることの近道だとされてきました。
圧倒的なブランド力を誇るメジャーな作品には、とにかく自分の価値を高め、作品もあらゆる方法で宣伝するなどしてブランド力をつけて対抗する方法しかなかったんですね。
もちろん、そういった宣伝とかブランド化というのは、これからも必要です。
でも、そういうガンガンに自分を売り込むことが苦手な人もたくさんいます。
そういう人にこそ「プロセスを売る」ということにこれからは注力していくことで、自分の作品を売っていく努力をしてほしいなと思います。
最近、いろんなところで頻繁に耳にするようになった『プロセスエコノミー』ですね。
プロセスエコノミーのいいところは、作品を作る過程から宣伝にできるということ。
従来のブランド化のためには、まずは宣伝の元になる高クオリティな完成品が必要でした。
でもプロセスエコノミーは違います。
その制作過程ですら宣伝材料になりますし、しかもクオリティとか関係なく「がんばっている自分」が宣伝材料になる。それは自然と自分のファンを掴むこととなり、ブランド化につながるということです。
ライブ配信で作品作りを視聴している人には、きっとあなたの熱意やかがんばりが伝わります。
「作品が売れない」と感じるよりも前に、ぜひその作品を作るプロセスを売ってみてください。
応援しています!
ではまた。